最近漫画あんまり買ってないなぁ。
「ヒストリエ」の5巻買ってから、清水玲子の「秘密」の新刊も出てて買ったけどまだ読んでない。
ずっと古泉智浩の「これが未来だぜ!」が気になっててamazonで買ってみたら、だいたいアックスで既に読んだものばかりだったが、面白かった。
漫画の一番の収穫は、三本美治の「ガンジス河で平泳ぎ」。

どこの書店でも見かけなくて、結局これまたamazonで買った。
もう全く帯に書かれるような内容。
・日本のホームレスとインドのホームレスの違いを考察せよ
・ガンジス川で平泳ぎすべし
と編集者より課題を託され、全く準備する時間も与えられずいきなり、そしてなんとガイドもいない一人きり。更にインドへ行くのは初めてという三本さん。
どう考えてもバラエティ番組の罰ゲームのような企画(笑 でも売れないマンガ家というより、ストロングスタイルのオルタナ系であり続けるがためマイノリティであり漫画1本で生活することも困難な三本さんは選択の余地はないと引き受けてしまう。そんな実録レポを漫画にするためにインドに行ってしまうのだ。
結果的に三本さんの世界観ともマッチしてるし、面白い本に仕上がってる。
吾妻ひでお「失踪日記」、花輪和一「刑務所の中」に匹敵する名作だと思う。
昨年の春、青林工藝舎10周年のイベントで三本さんとちょろっとお話する機会があり、その時「今度○○みたいな漫画描きます」と仰ってたのがこの本だったのか。思えばその時の三本さんは無事インドから生還したばかりだったのだなぁと思うと感慨深い。
松尾スズキさん、是非映画化してください。
漫画だけでなく、小説もあんま読んでないなぁ。
映画の「グミチョコレートパイン」にドッカーンとハマって、
大槻ケンヂの原作読んだら、これまたすんげぇ面白く、
立て続けに「ロッキンホースバレリーナ」、「ゴスロリ幻想劇場」、「くるぐる使い」、その他エッセイ4、5冊読んだくらいか。
(全て古本屋で買ってない)
あ、先日福岡行って帰りの新幹線で読んでたのは、フィリップ・ホセ・ファーマーの「恋人たち」だった。
「くるぐる使い」は再読。昔ハヤカワのSFマガジン買ってたんでリアルタイムで読む機会があった。当時、ミュージサンで敷居の高い文芸誌SFマガジンに載ってしまうって初だよな!と驚いたものだ(ブルース・スターリングとかバンドやってそうだけど
漫画作業で毎回気負い過ぎてしまう私にとって、「グミチョコ〜 パイン編」の大林森監督が賢三に言う台詞が目からウロコだった。
商業誌に漫画の投稿するとして、「なんで商業誌? 同人誌で好きなこと描いてればいいじゃん」と言われた日にゃ〜、言葉を無くしてしまうような自分だったが、
商業誌に投稿するということの意義、回答を「ロッキン〜」で見付けることが出来た。
常々興味深く思ってたが大槻ケンヂはどこまで、自分の体験を書いてるのだろう?
実際、リアルに七曲町子みたいな子っているよね。少なくとも私は何人か、いや限りなく町子に近かった友人は1人しかいなかったな。
良い言葉で形容すれば、とてつもなくアクティブ。でも良くも悪くもとんでもなくアクティブ。
大槻ケンヂは、「目を離すとどこにでも翔んでいっちゃう、妖精系」と書いている。
その私の友人であった子。まず出会いから変だった。私がゴスロリ服着て心斎橋筋フラフラしてたら逆ナンされたのである。めちゃめちゃ歳の離れた少女に。
いかにも小悪魔的美人でカラっと明るく、ドMでエロな包帯グルグルのロリィタ。ピアッシングも痛々しかった。って、私も自ら安全ピン使って口にピアッシングしたようなヤツだが。
ある日その子に電話したら、ひどく声がガラガラだ。精神病院だった。オーバードーズで入院ということがあった。
また彼女のリスカは半端じゃなかった。傷を縫われても自ら勝手に抜糸して更に深く切ってしまう。左手首に限らず体中どこでも躊躇なく切ってしまう。
一般的な感性なら美人が台無しだと言うところだろう。ソレ以前にロリィタ服自体キモいと言う感性の人もいるが。
万引き魔人でもあった。厚底靴万引きしたと聞いた時は呆れたのを通りこして笑ってしまったけど(笑い事じゃねーよ。今からでも私がお金払いにいくべきかな)。
売りもやってたようだった。私にも○○円で買ってくれと度々。
勿論買わなかった。でも買わなかったのは単にタダでもやらしてくれそうだったから… ってヒドイ理由だなぁ(笑
私の家に2度泊めたことがあったけど、結局食わなかった。食ってほしかったのだろうか?と時々考えたりする(笑
いちお彼氏がいたけど遠恋だった(今にして思うと彼氏ってその子の妄想だったんじゃ?と思うことがある)。やはりというか家庭に問題ある子で、父親が亡くなっていた。ファザコンだったから私にまとわり付いてたのか???
彼氏や母親に言えないようなことまで、私には何でも話してくれた。
学校ではイジメに合い、友だちが一人もいないという(そりゃあ、いなかろうな…
兎に角、ホント何をしでかすやら分らんので一時も目が離せず、もうず〜いぶ〜ん振り舞わされまくってヘロヘロだった。結局ちょっと目を離した隙に、10代最後の日だった、自ら命を断ってしまった。
その後も暫く、彼女に振り舞わされるという内容の夢にうなされてた始末で、毎年彼女の命日前後になると私は元気がなくなってしまうようになってしまった。
自殺したからといっても、心が病んでいたとも思えない。頭のネジは何本かスコーンと抜けてたと思うが。
ODしやがるんで一度、薬を一通り取り上げたことがあった。薬を調べたけど、量も多くなく全てマイナートランキーライザーで、強い薬は無かった。
ハルシオンが子供用だったくらいだし、せいぜい境界例と診断されてたんだと思う。
境界例は病気のうちには入らない。
自らをドM、淫乱とまで云い、バンバン平気で下ネタ言う子であったが、こっちがふいに下ネタ言ったりすると時折純情な少女になってしまうこともあり、照れたりするところも可愛らしかった。
が、結論としてはどう考えてもサイアクであまりにもヒドイ女でしかないよな、ホント(笑 卍固めでも決めてひ〜ひ〜泣かしてやりてぇ! まったく。
大槻ケンヂのエッセイ「わたくしだから改」のラスト「トンパチ」で、オーケンが実際に出会ったリアル町子のような子、妖精系について書いている。レーコという少女について。
レーコが2度目の自殺未遂をやらかした時、オーケンは逃げたそうだ。「これ以上何かしでかして、自分に火の粉が降りかかったらイヤだな」
コワくなったというよりメンド臭くなったという。うんうんよく解るよ。
「ヒドイよねー。最後まで責任取れっつーんだよなぁ」と付け足し、その後反省して、そのエッセイは4、5年ぶりにレーコに連絡を試み、まだ生きていたレーコとの奇跡的な対談で締めくくられている。
リアル町子のような子、妖精系は少数だと思うが、確実に存在する。
町子もレーコも幸運な例だと思う。
奇跡的な幸運と言ったらいいのか。
奇跡的、つまりファンタジーな幸運。
ファンタジーというかオーケンの願いと祈りによって紡がれた幸運。
そんな風に思えてならない、、、実際に幸運だったのかもしれないけどね。
世のリアル町子のような子がオーケンの「ロッキンホースバレリーナ」と出会いますように。と心底思う。
てか、もう少し早く書いて欲しかったなぁ。
そういえば、「グミチョコ〜」の漫画版、4巻だけどうしても手に入らない。なぜゆえ?
どなたか文庫版でない方の4巻ください。