漫画版の「グミチョコレートパイン」は読む都度なんだか身につまされるなぁ…
私が買った「くるぐる使い」は文庫版で、高橋葉介絵表紙。
高橋葉介といえば、小学校の頃に買ってた朝日ソノラマの月刊マンガ少年に連載されてた「宵闇通りのブン」が毎回すんげぇ楽しみだった。直ぐ終わっちゃったけど。
「くるぐる使い」に収録されてる「のの子の復讐ジグジグ」。「ジグジグ電波」ってイイ言葉だなぁと再読してもなお感銘を受ける。
ジグジグの語源はモーレツにバカなバンド、ジグジグスパトニックなのかな?
ジグジグスパトニックといえば想い出があるんでひとつ書いてみたい。
オーケンほど昔のことってあんまり覚えてないんだけど。
私が上京して専門学校に通い始めて間もない頃、初めてバンドを結成した。
同じ学校のキーボーディスト、ベーシスト、ギターの私の3人で。
パンクとテクノを交ぜた感じにしようということで、バンド名が今考えると異様に恥ずかしい。私が考えただけあってどうにもこうにも恥ずかしいが、笑いのネタにはなるのではないかと思うんで、あえて書いてしまおう。
「シンセティック・ハート」
ギャー!! 恥ずかしい!! 何のひねりもないというか、いかにもさえないテクノバンドだと表明してるかのようだ。
んで、早速オリジナル曲つくろうということになり、私の歌詞からベーシストがイメージして作曲。それをキーボーディストが一人でシンセで録音してデモテープが出来た。
作曲のおり、私は注文を付けといた。テクノ調でかつジグジグスパトニックみたいなバカな曲を、と。
当時3人の間ではジグジグスパトニックがちょっとしたブームだったのだ。
最初にジグジグを知ってたのは私だけでテレビの音楽番組で観て、海外はつくづく広いよホトホトバカなバンドもいたもんだなぁと思っていた。
ある日、ベーシストが世田谷区の中古レコード屋で何やらヘンテコなレコードを手に取ってクスクス笑っていた。
そのレコードジャケットには、
「見せびらかしましょう」
とプリントされていた。帯にそう書いてあるなら分る話だけど海外のバンドが日本語でそんなバカな文章をジャケにプリントしていたのでおったまげた。
ジグジグスパトニックのレコードだったのだ。結局ベーシストがソレを買い、ダビングして私とキーボーディストにも行き渡った。
かくて、「しゅーりらー、しゅーりらー、車の修理屋〜」とオヤジギャグかよ!と突っ込みを入れたくなるような替え歌を歌ったり、「見せびらかしましょう」が3人の合い言葉のようになっていた。
で、とりあえず出来たデモテープだが、聴くとえらくノリノリでかっちょいいじゃん!と思った。
歌詞のタイトルは「平行宇宙刑事パピーン」だったが、「ミュージックオブパピーン」に変えられ、歌詞が「パピーン!」という固有名詞だか擬音だかを繰り返すだけに削除されていた。せめて「はっ着! サカダチ シテ ヒラメケ!」は入れて欲しかったのだが…
ちゃかぽこちゃかぽことチープなリズムボックスにこれまたチープなキーボードのベースラインとメロディラインが乗っかってて、サンプリングで「パピーン!」と繰り返すヴォイスが入っていた。確かカシオのSK-1という1万円程度のキーボードだけで録音していたと記憶する。
結局、その恥ずかしいバンド名シンセティック・ハートの活動は「パピーン」だけで終わったという(笑 一度もセッションすることもなかったなぁ。バンド名の意味あったのかよ!オイ!
次いで、専門学校2年目の頃に新たなバンドを結成した。これまた恥ずかしいバンド名なんだよな…
私がなげやりに、
「Go! Go! オタッキーズ」でええんちゃうん?の一言で決まる…
みもふたもないバンド名ではある。
そんなテキトーなバンドだったけど、今度は打って変わってマメにセッションはしていたな。
練習スタジオは豊島区の安いところを利用していた。ドラム&ヴォーカルの人が色んなバンドあちこち渡り歩いて来た人だったというのが唯一の強みだった。ちゃんと巧い生のドラムが入ってるというのがカンドーだった。
あと私がギター&キーボード以外に、もう一人ヘビメタ君のギタリストとミーハーなベーシストがいた。
私とドラムの人は60年代のサイケなロックで趣味が合うんだけど、あとの2人とはさっぱり趣味が合わないので必然とオリジナル曲中心となった。
コピーもしたいとヘビメタ君がスコアを持ってくるんだけど、BOφWYのスコアだったり(笑 ってキミ、ヘビメタやろ!
コピー曲は各自勝手にやるような感じになり、私も一人で多重録音した。みんなが私の家に楽器や機材置いていくということがたまにあったのをいいことに。
P-MODELの「サイボーグ」、「フローズンビーチ」は分るとして、なんでOMD(オーケストラル・マヌーバース・イン・ザ・ダーク)の「エノラゲイの悲劇」などというダサ系エレクトロニカをコピーしたのかもう今となっては分らん。我が青春の恥とミステリー。
東京方面の人は深夜テレビのニュース番組CNNデイウォッチのオープニングで流れてたんでおなじみの曲だと思う。
キーボードつっても当時YAMAHAショルキーという2万円程度のどーしょうもないやつしか持ってなかった。そのチープなちゃかぽこリズムに、キーボードの音色がサイアクで、ベースはスタインバーガーのぱちもんの割に音が良く、特筆すべきはドラムの人が置いて行ったギター。本物のエピフォンカジノ。ジョン・レノンモデルのセミアコである。それがすっげーイイ音で、テンション上がるあまりベンチャーズっぽい感じのギターで重ねてみた。ヴォーカルは恥ずかしくて入れられなかった。ちょっとアドリブで勝手にバカな語りも入れたりもした。
で、現在も私が一人で多重録音したというその「エノラゲイの悲劇」のテープが残ってたりする。ガンダム風に云うなら、ゼータ刻をこえてという感じか。なんでガンダムなんだよ!
今聴くと、ベンチャーズっぽいギターってゼッタイ変(笑 当時はベンチャーズじゃなくてホントはモノクロームセットかムーンライダーズの「カメラ=万年筆」みたいなつもりだったのだが、どう聴いてもベンチャーズである。だってテケテケが入ってる。テケテケエノラゲイの悲劇(笑 エピフォンの音だけがやけに良くて哀しさを際立たせてる。
ドラムの人に、以前オリジナルでジグジグスパトニックみたいなのやったんだと話したらキョーミ持ったみたいで聴きたいと言ってくれたんだけど、間違って消してしまっていた。例の「パピーン」のデモテープ。
でもメロディラインとベースラインは覚えてたんで、ドラムの人と二人で「パピーン」をセッションしたテープも残ってたりする。ガンダム風に云うなら、ゼータ刻をこえてという感じだよな。だからなんでガンダムなんだよ!
ギターレスの曲だったんだけど、私がキーボードを弾いて、ドラムの人にはギターを弾いてもらった。
で、そのセッションした時に気が付いたんだけど「パピーン」はなんとコードをふたつしか使ってなかった(笑 3コードのパンクナンバーもビックリだな。
ジグジグスパトニックみたいな曲は2コードで充分ということなのか?
ちなみにGo! Go! オタッキーズのヘビメタ君は、ギターはやめてしまいヴォーカルに転向して今なお社会人バンドマンだったりする。マリリンマンソンだかグレート・ムタだか判断できかねる奇妙なメイクをして絶叫しているようだ。つまりゴシック忍者なのか?
彼の当時のバンドネームをなにげに検索してみたらヒットしたのでビックリ。10数年ぶりに連絡を取ったのだった(笑
ちなみに彼はギャグ漫画家を目指してたのだが…
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